3. 春は泡沫、やぶれてなお青く

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  同じく訓練用の岬守に搭乗し、コックピットから個別回線を繋いで寄越したのは、クラス委員の木俣樹樹(きのまた ジュジュ)だった。 ボーイッシュなベリーショートが中性的な顔立ちによく似合っている。 木俣系特有の緑色の頭髪がひときわ明るいのは、体に宿す『内生マガ』との『同化率』が高い証拠だ。 『いい加減真面目に授業受けなさいよ。アタシらの学年で同化率が70越えてるのってアタシとアンタだけなのよ? わかってんの?』 「あーうるせーうるせー、まぁた説教かよ」 岬守の動力は基本的に、操縦者の身に宿る内生マガが作り出す『DM力場』を増幅、濃縮、拡張したものを用いている。 よって、この内生マガとの『同化率』はほとんどそのまま岬守パイロットとしての適性を示す数値なのだ。  
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