1. この星の生命を喰らうモノ

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  『目標はタイプ【ジェリー】レベル3、フォーム【ストロビラ】。内在性DM力場および生体反応を解析した結果、フォーム【エフィラ】への変態までおよそ一時間と試算されました。『岬守(さきもり)』全機出撃、迅速に『駆除』してください』 村民皆兵、運悪くこの日の当番だった俺の小隊も、海洋棲概念生命駆逐兵器、通称『岬守(さきもり)』に乗り込んで出撃を余儀なくされた。 コックピットは上下左右視界を遮るものがほとんど無い全面キャノピーになっているが、 現在は正面にそびえるタイプ【ジェリー】の放つ青い蛍光色以外、真っ黒な闇で塗り潰されている。 不意に軽快な電子音が響き、半透明の小窓が三つほど宙に浮かんだ。 はっと我に返った自分を戒める。攻撃目標の圧倒的な姿に見惚れてしまったのは、気が緩んでいたからか。 その責任の半分ほどは、深夜二時という時刻にも転嫁できそうだが。  
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