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パァン! という破裂音と共に小窓の中を紙吹雪が舞った。
にぱぁっと緊張感が皆無な笑顔を浮かべた同期の中尉、祓戸茂華(はらえど モカ)が、クラッカー片手にブンブンと手を振っている。
「お前なぁ……」
『うひゃひゃ! 無事に帰って来れるか分からないので、誕生日に仕掛けようと思ってたドッキリを一カ月ほど前倒ししてみましたー! どうどう? びっくりしたでしょ!』
「アホか」
さっき自分を戒めたのが馬鹿馬鹿しくなってくる。長い付き合いだ。
無事に帰って来れるか分からないってのは言い訳で、単に思い立った悪戯をあと一カ月も我慢できなかったってだけなのが手に取るように分かる。
「年甲斐もなくはしゃいでないで、目の前の任務に集中しろバカ。それがお前の死亡フラグになっても知らないからな」
『むぅ。その薄っすい反応はまことに心外なのです。こういう小さな心の触れ合いこそ、知的生命体として生を受けた者の特権なのですよ?』
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