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「これ」
「はえ……?」
そう言って差し出されたのは、いつも吸っているタバコの箱と、愛用のオイルライターなのでした。
意図が分からずにポカンとしていると、ツルギくんが目を合わせないままもごもごと言うのです。
「お前に預ける。何か、俺が吸ってるといろいろマズイって。マモリ少佐が」
いろいろマズイ? マモリ少佐?
ええと、ちょっと待って下さいなのです。
ふたりの会話は上の空で聞こえていたのですけれども、素早い思考は苦手なのですよ。
だから後衛の防壁手なんかをやっているわけなのですけれども……。
かくかくしかじか。ふむふむ。ええとですね。
「……受け取ってくれるのか、受け取らないのか」
「う、受け取る! 受け取るっ!!」
「うお……」
慌ててツルギくんの手に飛びつきました。
ちょっと遅れてじんわり心臓のあたりからあったかい気持ちと、むずむずする痒みが体の表面をくすぐっていくのでした。
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