死司者 1

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 時は現代。  俺らは時代に取り残された、人間だった者達。  その地域毎に色々な呼び方をされ、死を想定させる忌み嫌われる存在として古くから伝わってきた。  所詮俺らは死人で。  所詮俺らは死神で。  所詮俺らは見えない存在。  魂が綺麗だの汚いだの。  上官の好みだのそうじゃないだの。  適当な、本当に適当な理由で選ばれた死人が、死神として生者の世界で生者を葬り、死者を弔う。  そんなことが行われているのが俺らにとっては日常茶飯事。  神の御元へ行くのが死人。その案内人は死神となった死人で。死神がいるのはこの地球上の至る所にある、砦とか呼ばれる巨大建築物で。それが俺ら死神の家なわけで。  死神の家なんていらないと思うんだけど。一番偉い人……即ち神様が、死人が迷わぬよう死の砦を築き、そしてそれを死神の家とした。  ……めんどくさい仕組みだ。  その仕組みに縛られてる俺がいる訳ですが。  どんな仕事があるかとか。そういうのを説明するのもめんどくさい。  だから此処でどんな事をしているのか。  貴方達に教えてあげましょう。
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