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中学校の周りをランニングしていた球誠であったが、いつになくグラウンドから響き渡る声に気づき、グラウンドを見る。
「山田!いいぞ!ナイスプレーだ!」
球誠はグラウンドで1年生にノックを打っている木場を見つける。
「アイツ…」
球誠は木場にかつて倉原リトルでチームメイトにノックを打っていた小学生時代の自分の面影を見つける。
「チッ…」
球誠は舌打ちをし、その場を去り、ランニングに戻る。
木場は球誠の姿に気づき、球誠の後ろ姿を見えなくなるまで追いかける。
夕方になり、豆山と木場は残って素振りをしていた。
「そう言えば、城崎は野球部じゃないのか?」
木場がふと思い出したように豆山に尋ねる。
「うん。球誠君はシニアで野球をやってるんだ!ホントは一緒に野球やりたかったんだけどね…」
「じゃあ、誘えばいい!丁度ピッチャーも必要だしな…」
「え??」
木場の思わぬ言葉に豆山は驚くが、すぐに暗い顔を見せる。
「でも無理だよ。球誠君は部員が少ないよりも指導者のいないことが嫌だから野球部に入らなかったんだ」
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