不思議な物体

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その日わたしは、瞼を赤く腫らし目の下に隈をつくり、殆ど幽霊のような状態で職場に向かった 同僚からは心配する声もかけられたらしいが、本人の耳にはまるでとどいていない 仕事もそつなくこなしていたつもりがミスだらけ、おかげで強制早退を命じられた 昨日、一睡もしていないせいか 家に着くなり着替えもせずに ベッドへ倒れ込んだ 時間は、わからない でも夢の中にいるのだな、という感覚はあった 誰かが、話しかけている 『会いたい?』 目を開けて確かめたいけど、瞼が重くて 開かない、でも確かにソレはそこにいる ふよふよと、溜め息の塊のようなものが 漂っている 「誰?そこにいるのは誰なの?」
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