『人が消える』

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「はぁー、最近みーんな人が消えることしか話さないじゃん。もっとさ、明るい話題ないの?明るい話題がさ」 「何言ってんのよ美雪。この事件はこの町だけの話題じゃないのよ?人が大量に失踪する事件なんていわば国家の問題よ!」 「うわー…むっちゃん、いつもよりテンション高いね…なんかいいことあったー?」 「ふふ…私の推理漫画によって鍛えられた推理脳がこれは国家を揺るがす大事件だと囁いているのよ!」 「あー、この前貸した身体はコアラ、頭脳はミトコンドリアな漫画に影響されたのね…」 「あぁ…私も探偵になってみたいわ…。そうしたら決めゼリフは『私の桜吹雪がアナタの悪事を見逃さない』ね…。いいわぁ…」 「あー、はいはい」 この自分の妄想にトリップしている、ちょっと痛い系女子は、深田 睦月(フカダムツキ)。私はむっちゃんと呼んでいる。 本人曰く、幼い頃海外で過ごしたらしいので、日本の文化に疎く、教えた物にすぐに影響されてしまうらしい。 彼女とは、高校入学と同時に知り合った仲である。 ちなみに私は、平井美雪(ヒライミユキ)。名前が美雪なのに夏生まれという変なジョークセンスの両親を持つ高校二年生だ。 部活はテニスをしており、部活と恋に燃える美少女高校生だ。 今は、ここ『三子町高校』で昼休みにむっちゃんと談笑中である。 ちなみにむっちゃんは、ハーフで金髪でお嬢さまという。なんかマンガっぽい属性だ。 話は戻るが、会話で『人が消える』と出てきた。これは最近起こったある事件についての話題だ。
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