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「もう!遅いわよ美雪!」
駅前まで戻るとむっちゃんは、頬を膨らませて怒っていた。
私は、むっちゃんに今までの出来事を話した。
「むー、そういう事なら仕方ないけど…」
なんとか納得してくれたようだ。
「でも、むっちゃんも遅かったけど何してたの?」
「え?いや、その…」
すると急にむっちゃんは顔を真っ赤にして俯き、モジモジしだした。
ん?どうしたんだろ。
「実は、探偵さんが1時間前に、時間を変更したいって言ってて、近くでお茶してて…べ、別に変な意味じゃないのよ!ただ、探偵さんが女性一人の方が話しやすいでしょうって…」
「だったら、私いらないじゃん…」
「そ、その…美雪とはその後、買い物しようかなーとか思ってたから…」
「はぁ…まぁいいよ。で、その探偵さんは?」
「あ、それなら事務所に荷物忘れたからって店をちょっと前に出たけど戻ってないの、それで美雪を思いだ…なんでもないわ」
つまり、まだ話し中らしい。
だが、探偵と聞くと、私はさっきの変な探偵の顔が頭からがちらついて離れない。
その相談してた探偵って…いや、まさかな。
そんなはずは…。さすがにあんな胡散臭いところには相談しないでしょ。
「むっちゃーん!待ったぁー!?恋泥棒のオジサンだよー!」
嫌な予感というのは時として当たるものだ。
とりあえず三度目のドロップキックをした。
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