宮本一弥という男

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「俺とまひろは、いとこ同士なんだ」 「えっ!?いとこ……ですか?」 「ごめん、なつみん。今まで黙ってて」 「まひろん、なんで教えてくれなかったの?」 「私ね、高卒で入社出来たのはコネがあったんじゃないかとか、いろいろ噂立てられたりしてたの。勘繰られたり、イチにぃに迷惑かけたりするのが嫌で、知られないように隠してたんだ。疑心暗鬼になりすぎてたのかも。関係が知られたら何かと面倒だから、今でも隠したまま。なつみんにも言うタイミングを逃してた…ごめんね」 「…………なぁんだ、良かった!」 ホッとしたような、なつみんの笑顔が眩しい。 「なんか2人とも深刻な顔してるから、ドキドキしちゃった!いとこ同士なんだ…。どおりで親しげな雰囲気だったのね。でも、私に教えて良かったの?」 「イチにぃ、もっと大事なことを言うつもりなんでしょ?誤解はとけたようだし。言うなら今でしょ!!」 イチにぃが、コホンと咳払いをした。
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