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鏡の国
ある日の、真夜中。
2時00分。
私は今、鏡の前に立っている。
洗面台の前。
鏡が、私を映す。
伸ばした指先は鏡に触れて、
当たり前だが、手は止まる。
鏡の奥へ、入り込めるはずはない。
――ねぇ、知ってる? 鏡の世界の噂。
親友が、そう話していた。
――真夜中の2時ちょうど、鏡の前に立って手を当てると、鏡の奥へ入れるんだって。
オカルトは基本、信じない。
でも、ホラーな話は好きだ。
――真相、確かめてきてよ。
そして現在。
何も起きなかった。
くだらない。
手が、鏡の奥に入り込んだりなんてしなかった。
オカルトなんて嘘ばかりだ。
寝室へ行って、そのまま眠りに落ちた。
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