第10話

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「電気消すよ」 至って平常心に見える奏甫。 花瑚が渋々ベッドに潜ったのを確認すると部屋を真っ暗にした。 「「・・・・・」」 「…あの」 「何?」 「ベッドを取るつもりじゃなかったのに…ごめんなさい」 「そんなこと気にしなくていいよ」 「「・・・・・」」 うまく会話ができないや。 また心臓の音だけがやけに耳に響いている。 「あの…」 「何?」 「…明日、お仕事は?」 「当直」 「当直って、夜から?」 「そう」 奏甫は緊張してないの? ぽつぽつと返ってくる返事に、声色が変わる様子もない。
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