第10話

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すぐに「あなた」に戻ってしまったのは心なしか残念だけど。 笑い声が嬉しくて。 自分のおっちょこちょいも恥ずかしくて、一緒になって笑っていたら、 「きゃっ。何」 腰に回された奏甫の腕に、ぐいっと引き寄せられた。 「添い寝してくれるんだろ?」 「…ああ言ったのは…ひゃっ」 おでこに奏甫の唇がそっと、けれども確かに触れた。 「もう寝るよ。おやすみ」 抱き寄せられた腕は少し緩まっても、離してはくれなかった。 カーっと顔が赤くなっていくのが分かる。 ・・・部屋が暗くて助かった。
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