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しーーーんとしているリビング。
そこには、またも向かい合って座る花瑚と奏甫が、同じ香りを漂わせたコーヒーを飲んでいる。
この状況の中、コーヒーカップに視線を落としている無表情を黙って見つめていたら、ふっと視線を上げた奏甫と瞳が合った。
「何?」
「…いつから…その…私のこ」
「内緒」
まだ言い終わらないうちに、何を訊かれるか分かったみたい。
鉄仮面が「内緒」だなんてかわいらしい言葉を使うもんだから、それだけで許してしまおうって気になってしまうじゃない。
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