第10話

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しーーーんとしているリビング。 そこには、またも向かい合って座る花瑚と奏甫が、同じ香りを漂わせたコーヒーを飲んでいる。 この状況の中、コーヒーカップに視線を落としている無表情を黙って見つめていたら、ふっと視線を上げた奏甫と瞳が合った。 「何?」 「…いつから…その…私のこ」 「内緒」 まだ言い終わらないうちに、何を訊かれるか分かったみたい。 鉄仮面が「内緒」だなんてかわいらしい言葉を使うもんだから、それだけで許してしまおうって気になってしまうじゃない。
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