第10話

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「…じゃあ、昨日みたいに花瑚って呼んでほしいなぁ…なんて…」 「花瑚」 自分から催促して呼んでもらったのに、胸の奥がむずむずとくすぐったくも嬉しさが込み上がる。 「花瑚」 もう一度呼ばれる。 「うん?」 「今日は月曜日だけど、仕事行かなくていいの?」 ・・・・・・。 「…きゃーーーっ」 叫んだ後、花瑚はバタバタと慌てて奏甫の部屋を出て行った。 おかげで残された奏甫の笑った顔を見ることはできず。 静かな空間に戻ったリビングで、一通り笑い終えた奏甫はゆっくりとコーヒーを啜った。
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