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奏甫は仕事柄のせいか、眠りが浅く夜中に何度か目を覚ますというのに、昨夜はよく眠れていた。
隣に人がいて、あんなに深く眠れたのも初めてだ。
おかげで早い時間に目が覚め、隣でぐっすりと眠っている花瑚の寝顔をしばらく眺めていたことは秘密だ。
「いつから、私のこと好き?」
きっとそう続いただろう花瑚の質問は、動揺を一緒に断ち切るように遮った。
そんなこと、小っ恥ずかしくて言えるはずがない。
無表情ながら、心の内は動揺していたことは何度もある。
人より表情に出にくいだけ。
奏甫は、初っ端から花瑚に心を掴まれていた。
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