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いきなりキスをされるという驚きを超えるインパクトはそうそうないだろうけど。
その後すぐ泣き疲れて眠る子供のような花瑚。
次に会った時には本人はけろっと忘れていて、こっちだけ覚えているのが癪に障ったりもした。
無防備に助手席で眠っていたことや蕎麦屋で美味しそうに豪快に麺を啜る姿。
口走った告白に真っ赤に顔を染めて猛スピードで去って行く様。
どんな姿も面白くて、可愛いくもあり飽きなかった。
いつまでも、できることならずっと見ていたいと思った。
・・・彼女の隣で。
今はダイニングテーブルに1人きりの奏甫。
温くなったコーヒーを飲みながら、ついさっきまで目の前にいた花瑚を想って自然と微笑んでいた。
ーFinー
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