第1話

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ちょうどそこへドアが開く音と共に男性の顔が部屋を覗く。 「起きた?」 え?誰? 固まった私を見て、男性は足を踏み入れようとはせずにその場から声をかける。 「ところで、記憶ある?」 「あの…」 「いいや。俺仕事に行くから、起きれたなら帰ってくれる?」 答えや質問する暇も与えることなく男性はそう告げた。 「…あ……はい…」 働かない頭なりに、自分がこの人の部屋を借りて寝ていたことだけは理解できたから。
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