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それ故に、組織上層部の一部派閥から煙たがられているのもまた事実。そういった連中を下手に刺激しないように一人で会合へ向かったのだろうが、織江からしてみればやはり不安はある。
『では、明日の午後には戻りますから、詳しいお話はそれからということで。――ああ、それと……』
社長は思い出したように付け加える。
『戌井冬吾の父親について、ざっとで構いませんので、調べておいていただけますか? 岸上豪斗がその死について、なにを掴んでいたのかということも』
「……わかりました。やれるだけやっておきます」
岸上豪斗の遺品は既に調べたが、それについての手がかりはなにも残っていなかった。一応、もう一度調べておく必要はありそうだ。家にもなにか残っているかもしれない。
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