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「すると……岸上さんは今日はもう来ない、ってことですか?」
神村はその質問を待っていたかのように、微笑を浮かべた。
「それなんだが、君に提案がある。岸上の用事はそれほど長くはかからないはずだ。ただ、なかなか現場から離れることもできないという状態にある。それで、君をこれから岸上の元へ案内するように言われている。話はそこで、とのことだ」
「岸上さんは今どこにいるんですか?」
「職場だ。ここから五分ほど歩いたビルの中になる」
「……それって、会社の中ってことですよね。俺が入っても大丈夫なんですか?」
「ああ。それは問題ない。岸上は二人きりで話せるように取り計らうそうだ」
それなら、一応問題はなさそうに思える。
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