第一章――――二つの出会い

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「でも、外部の人間が歩いてると、目立ちませんか?」 「それも心配いらない。裏口から入れば人目にもつかないだろう。もちろんここまでの話は、君さえよければ、ということになるが?」 「……大丈夫です。行きます。俺としても、岸上さんからは是非話を聞きたいので」 「そうか。いや、私はその内容について知らされていないのだが……その話というのはいたく君の興味を惹いたようだな。――よろしい。社まで案内しよう。他に質問は?」 「ええと……あっ、そうだ」  これは訊いておかねばならないことだった。 「ところで、神村さんは岸上さんとどういった関係なんですか?」 「……ふむ。どういった関係に見えるだろうか?」  神村は冬吾へ試すような視線を向ける。質問に質問で返さないでほしい。……困る。 「……上司と部下、とか?」  様子を窺うように口に出す。もちろん上司は岸上のほうだ。代理を任されているということや、神村がまだ二十代半ばほどにしか見えないということからも、逆ではあり得ないだろう。
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