プロローグ――――闇の住人たち

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「――ああ。……ああ。予定通りだ。そちらの指示通りにやっている」  ――暗闇。電灯もつけていない真っ暗な部屋の中で、小さく、話す声がしていた。誰かに聞かれぬよう、隠れ、潜むかのように。  その声は、電話をしているようだった。 『機器の回収は?』 「すべて滞りなく。処分した」 『ご苦労。では、次の指示を待て。その間、再度プランの確認をしておくように』 「了解。ところで……その男、本当に大丈夫なのか?」 『貴様が心配することではない。私の言うとおりに動くことだけを考えていろ。まだ、死にたくないのであればな』 「…………」 『安心しろ。貴様を失うのはこちらとしても都合が悪い。約束しよう……私の言うとおりに動けば、助けてやる』  電話の声は、一呼吸置いてから続けた。 『――かの男には、生贄になってもらう』 「……計画のことなら、理解している」 『ならばわかるな? 私自ら協力してやっているんだ。そのことを忘れるなよ』 「ああ……頼りにしている」 『よろしい。ではな……期待しているぞ』  電話は切られた。
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