第1章

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あ…… ハンカチ……どうやって返そう。 そんな事を思いながら廊下を歩いて 2-A組僕のクラスの前に着く。 僕は、強く手を握りしめゆっくりドアを開けた。 ガラッ- 一斉に僕に視線が集まるのを感じた。 さっきまでガヤガヤしていた教室も静まり返る。 僕の席は1番後ろの窓際の席。 そこは、呪われた席とか噂でもある。 なぜ、呪われた席かと言うと1番後ろの窓際に 席替えをして座った人がイジメのターゲットだからだ。 ゆっくり椅子に腰を下ろす。 みんなのひそひそ話しとクスクス笑う声が 僕の胸を強く締め付ける。 「ねえ。」 バンっ!! 机に手を置き見下すように見つめてくる。 グループの中でもリーダー的存在の 後藤 里奈だ。 「は、はい……」 「あっれ~?なにそのハンカチ女子物じゃない? なに、お前。オカマなの~?まぢキモーイ」 僕は握りしめていたハンカチを奪われ 彼女は床に叩きつけハンカチを踏みつけた。 「あっ……。」 やめろ!って言いたかった。 でも僕はただ、見ているだけしかできなかった。 良心で貸してくれたハンカチを踏まれて僕は 怒りに震えていた。 「なんか、文句でもあるの?」 「い、いいえ……。」 「その顔、むかつくよな」 「ひっ…!」 髪をグッと持ち上げられる。 みんなの視線が、グッと集まり空気が張り詰める。 ガラッー 「はーい。みんなおはようございます。 授業始めますよー」 ッチ 小さく舌打ちをされ納得いかないのか 僕のことを睨み返してくる。 僕は、恐怖で小刻みに震えて涙をこらえた。
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