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あ……
ハンカチ……どうやって返そう。
そんな事を思いながら廊下を歩いて
2-A組僕のクラスの前に着く。
僕は、強く手を握りしめゆっくりドアを開けた。
ガラッ-
一斉に僕に視線が集まるのを感じた。
さっきまでガヤガヤしていた教室も静まり返る。
僕の席は1番後ろの窓際の席。
そこは、呪われた席とか噂でもある。
なぜ、呪われた席かと言うと1番後ろの窓際に
席替えをして座った人がイジメのターゲットだからだ。
ゆっくり椅子に腰を下ろす。
みんなのひそひそ話しとクスクス笑う声が
僕の胸を強く締め付ける。
「ねえ。」
バンっ!!
机に手を置き見下すように見つめてくる。
グループの中でもリーダー的存在の
後藤 里奈だ。
「は、はい……」
「あっれ~?なにそのハンカチ女子物じゃない?
なに、お前。オカマなの~?まぢキモーイ」
僕は握りしめていたハンカチを奪われ
彼女は床に叩きつけハンカチを踏みつけた。
「あっ……。」
やめろ!って言いたかった。
でも僕はただ、見ているだけしかできなかった。
良心で貸してくれたハンカチを踏まれて僕は
怒りに震えていた。
「なんか、文句でもあるの?」
「い、いいえ……。」
「その顔、むかつくよな」
「ひっ…!」
髪をグッと持ち上げられる。
みんなの視線が、グッと集まり空気が張り詰める。
ガラッー
「はーい。みんなおはようございます。
授業始めますよー」
ッチ
小さく舌打ちをされ納得いかないのか
僕のことを睨み返してくる。
僕は、恐怖で小刻みに震えて涙をこらえた。
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