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「あなたが、先生と同じ暴力団員……!?」
「もう随分昔の話だけどね」
と、真城さんはスッと私の顎を掴んで上を向かせた。
「君は今まで、昴にどれだけ大事にされてきたか分かる?」
「え……?」
「昴は暴力団に入るとき、組長にこう言ったんだ。『大切な幼なじみを守るために強くなりたいんです!!』って。昴が、暴力団に入ったのは君が大好きだったからなんだよ」
そんな事があったなんて……
「でも、昴は実力が良すぎた……どうしたものかね、時期組長は僕のはずだったのに……」
突然、真城さんの瞳から光が消えた。
「一番大事にしている君を僕がこの手で奪ったら、昴はどう思うだろうね……」
「あ、あの……真城さん……?」
と、徐々に真城さんの顔が近づくことに気づいた。
えっ……キスされる!?
「やめてっ……!!!」
「……そこら辺にしとけよ」
え……?
聞き覚えのある声がして顔を上げると、そこには真城先輩がいた。
「彼女、嫌がってんだろ」
「先輩……っ、助けに来てくれたんですか?」
すると先輩は一瞬ポカンとして、せせら笑った。
「まさか。親父の加勢に来たんだよ」
「真城さんと先輩が親子……!?」
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