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わたしがまだ300ページもある長い小説を読んだことがない頃、ある一冊の本に出会った。
家の物入れの奥に、もう何年も読んでないような古い本だった。
ホコリまみれで、表紙も色がさびている。
少し変わった形をしていて、表紙をめくると、中のページも妙だった。
なにかわからないまま、わたしはその本を必死に読んだ。
必死?
はじめは興味本位で読み始めて、気がつけば何時間も経ってた。
これがわたしの本との出合い。
それからも、その本はたまに読むようになった。
部屋の掃除をして目に入った時とか、ふとあの本のことを思い出して、読んでみよう!となり、結局4、5回は読んだと思う。
当時、字を読むのに慣れていなかったわたしは読むだけで何時間もかかったのに全然気にならなかった。
わたしはその本がきっかけで小説に見事にはまった。
近所の子が遊んでいるのを見ていても全く気にならず小説に夢中になれた。
でも、成長するにつれやらなければいけないことも増えてきてわたしは小説のことも、しまった本のことを忘れてしまった。
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