3人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
少し長くなったけど、あと一つだけわたしのことについて話すと、わたしには親友と呼べる友達がいなかった。
別に友達がいなかったわけじゃない。
むしろ、たくさんいた方だと思う。
クラスの子ともみんなと仲良くなれたし、学園祭などの後の打ち上げてば幹事をしたり盛り上げ隊として場を盛り上げていたりした。
そういうクラスの行事には積極的に参加したり開催したりした。
だから、学校はすごく楽しかったし友達がいないわけではなかったけど、親友というものがわたしにはいなかった。
別にいないからって今まで特に困ったこととかはなかったんだけど、秘密を共有したり好きな人の話をしたり、そういうのにすごい憧れた。
物語にもよく出てくる。
だから、次クラス替えがあったら絶対親友を作ろう!と決めていた。
決めていてもできるかできないかは別だけど。
友達関係ってすごく大切だと思う。わたしがはじめて学校に行ったとき、お母さんが出会いは大切にしなさい、と言っていた。
わたしはずっとその言葉を信じて大事にしてきた。
もちろん、それは今でもそう思っている。
でも、なんでも語り合える、心から信頼できる、そういう親友がずっとほしいと思っていた。
とりあえず、わたしについてはこんな感じ。
親友がほしくて、小説が好きで、なにか大きな人生を変えるようなファンタジックな出来事が起こらないかな、なんて思っていた。
別に普通でしょ?子供なら誰でも夢見ること。
その夢見るのを忘れた頃に、しまっていた本のことを思い出した。
長い間、読んでいなかったなーと思ってパラパラとページをめくった。
内容はほとんど覚えていなかった。こんな内容を書けるなんてきっと想像力が豊かなんだろうな、なんて思いながらわたしは本を閉じた。
率直に羨ましいとおもった。
だから願った。
それが、すべての始まりだった。
最初のコメントを投稿しよう!