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そんなに強く叩かなくてもいいと思うんだよね。
つか、落ちるとこだった!
俺、死ぬよ?
こんな所から落ちたら俺マジ死ぬよ?
と、抗議をしてみるものの「いいからあれ見ろ」と言うように、俺の両頬を両手で挟んで逆方向へ俺の首を回した。
「いたいいたいたいたいたい!!」
「いちいち大声を上げるなよ。見つかりたいの?」
「そんなわけあるか、わざわざこんな高い木まで登ったのに。でも、首が痛いです。」
「…………」
あ…………
これ以上陵介に話かけても返事が返ってきそうにないので、お口にチャックをしよう。
陵介が見ている方向に目をやった。
するとなんと言うことでしょう!
黒髪モジャモジャのおサルさんが、普通とは言えない大きな門を一生懸命這い上がっているではありませんか……!
あ、すごい。
すいすい登ってく。
先祖はモンキーなんじゃないの?
…………俺もご先祖様モンキーだわ。
なんて、自分にツッコミをいれながらおサルさん(転校生)を見ると、門のてっぺんに着いていた。
そして、門を跨いで徐々に下へと降りていく。
よし。そのまま行け。
そしたらもう少しで副会長が来るはず!
あ、ほら来た!
腐男子の情報網嘗めないでよね!
あぁ、副会長さん。
門の所まで来ているのに上にいる転校生に気づかず!
そしてそのままケータイを手に何かいじってるぞ!?
と、思った瞬間、何かの鍵が外れたような音がし、門が開きはじめた。
「うわぁぁぁぁ!」
「しゃあ!!」
よくやった転校生!!
思わず声をあげてしまったがそこは気にしない。
陵介に叩かれた頭が少し痛いが気にしない!!
落ちてる人を見て喜んでいる俺もどうかと思うが、その後のお姫様抱っこを期待していますぞ!
お二人とも!!
さぁ!副会長!
転校生くんをキャッチするのだ!
姫抱きするのだ!
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