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講義が終わったあと、大学から乗り合わせた二台のタクシーはミザロヂーのまえに止まった。
雨の降るなか、次々と八人、タクシーから降りては小走りで店の軒下に入りこんだ。
ふわふわとした色彩の軽やかな装いからシックな装いまでと華やかな様が集う。
彼女たちはさざめきながら同じように髪についた水滴を払い、店のなかに入った。
「いらっしゃいませ。遠野さまですね。あちらにご用意させていただいております。どうぞ」
名乗るまでもなく店員が察して、奥の席へと姫良たちを案内した。
まだ六時をすぎたばかりで、なお且つ平日ということもあり客はそう多くない。
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