スリーR

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「………ああ、これは、あれだ。 木梨くんの仕業だな。」 「………木梨?第二秘書の木梨のことですか?」 俺の眉間のシワが、グッと深くなる。 第二秘書木梨は、腐女子だ。嫌な予感しかしない。 「もちろん、その木梨くんだ。この前、木梨くんに相談したんだよ。蘇芳ともっと近づくにはどうしたらいいかって。そうしたら、木梨くんが『私にお任せ下さい!』と言うもんだから、任せたんだった。そうか、これが、それか。」 ウンウンと感心する社長とここにはいない木梨に、思いっきり舌打ちがしたい。 お前ら、一体、何してんだよ! 「………………どうした。蘇芳。俺と同室なのが、そんなに不満か?」 「ええ大いに不満です。」 「ーーーははっ、即答だな。どうしてそんなに不満なんだ?」 どうしてだと? そんなの決まってるだろうが。 「……………社長。これは仕事です。私は貴方の秘書です。仕事中、貴方の前で常に緊張感を持って行動しているんです。…………それが、滞在するホテルの部屋まで一緒となると、私はいつ気を抜けばいいのですか。それとも何か?私は気を抜いてはいけない。そう仰るのですか?」 社長にビシッと音が鳴るくらい、人指し指を突き立て捲し立てる。 ふう。スッキリした。 一気に不満を吐き出した俺は、呆気に取られた社長にドヤ顔をしてやった。
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