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「まあ、こういう積極性な所を気に入ってたのになあ。こんな事をして引き止められるとでも思ったのか………。
脅迫だよな?これ。」
しれっと聞いてくる社長に、頭痛がする。わざとだ。この人。絶対わざとだよ。相手がこうやって出るの分かってやったよ。もう、絶対自分に近付かせないつもりだ。
「うんうん。脅迫だな~。」と頷いている社長を尻目に、先ほどのメールを社長のパソコンに転送して、自分のは消去した。
この人、仕事は出来るのに、何でプライベートはアホなんだ。
「御自分の不始末は、ご自身でどうぞ何とかして下さいね。そして、次は、もっと落ち着いた方をお選び下さい。」
男だろうと女だろうと、気に入った人物なら誰でも受け入れるんだから、ほんとタチが悪い。
「落ち着いたやつねえ…………、ああ、今、凄い名案が浮かんだ。」
「それ、名案では無いですよね。絶対。」
社長が名案だと叫ぶのは、仕事以外ではロクな事ではない。
「いやいや、名案だよ?」
俺を見て、にっこり微笑まれる社長。
俺には、悪魔の微笑みにしか見えません。
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