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痛いし、辛いし、苦しいし、ーー悲しい。
しかし、私の心の奥底には小さくも鮮明に輝くものがあった。
何発喰らおうとも、どんなに惨めだろうと、私はただ耐えれば良い。
妹の和美を守ることになるからである。
私が一番のターゲットならば、一つ下の妹だけは無傷で卒業できるだろう。
私たちの本当の親は、どこにいるのか分からない。お金や教育環境や愛も与えてくれなかった。会いたいとすら思えない。
しかし知性だけは与えてくれた。
耐え続ければ、私と妹には社会的に復讐するチャンスがやってくる。
大学生や社会人になって成功すること、それは安全な復讐である。
「ああ、それと西宮さん」
角田が何か言っている。その間も、関の長い脚から繰り出される蹴り。
「おげぇぇぇぇっ、えっ、ごえぇっ」
私は胃の奥から来る気持ち悪さを出し切りたくて悶えていた。
「おい、後でたっぷりやっていいから、一旦、止めろ関! ブスミヤに声が届かねえだろ!」
私は腹を押さえて咳き込んでいるところを?敵の大ボスが?そう制した。
「ねえ、西宮さん。和美さんでしたっけ? とっても綺麗な妹さんがいらっしゃるのねぇ。ね、皆でシェアしましょうよ。私たち友達だもんね?」
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