第1章

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警察は間もなく到着した。 事情を説明するとアパートにいる家出少年らを補導し、そこから芋づる式に連中と和美は発見された。 その後、警察が何回も私のところに来た。 私も警察署に出向いた。 分かったことは、和美は精神衰弱状態だが、当座命に別状はなく、中央病院に強制入院となったこと。 和美はどんな人間からの面会も謝絶していること。 角田の母親と、そのお店で働いていた未成年数名が検挙されるということ。 妹の件は、青少年保護育成条例というものに抵触するので犯罪は犯罪らしいが、性的暴行以外の対策は、弁護士と相談して決めていかなくてはならないこと。 弁護士の話では、家出少年を出すような家から示談金を取るのは難しいということ。 さらに、角田のアパートでは角田翔子と角田亜美親子による独裁体制が敷かれており、その命令の強さ、権限の強さを精査していくのが検察の方針だと言われた。 また、警視庁が、ストーカー対策に本腰を入れたように、特異なグループに置ける諸問題を包括的に解決するための組織を作ることを発表したことも伝えられた。 弁護士は、それはとても意味のあることなんだと何回も言った。 警察からの最後の電話の内容は、病院付近のマンションから落下し死亡した和美に関して自殺で断定したということ。 その全てに余り価値を見いだせないので、私は高校卒業に十分な単位を取るとバイトに明け暮れた。必要なのは、まとまった金額のお金と、十分な知識だけであった。 医学に関する知識。人間心理に関する知識。道具や薬物の使用方法。まとまったお金も数百万円もあれば十分だろう。 しばらくたって、角田サイドに空前の大弁護団が付くと知った。角田の母親の所属している組織のためだそうだ。私はこの情報だけは肯定的に受け取った。
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