夢見草

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「………つまんねぇなぁ」 春の陽光が、暖かく降り注ぐのどかな日。 まぁ、死神の俺には関係ねぇけど。 寒さも暑さも、腹が減ることも疲れもしらねぇこの身体は便利だが、楽しみがねぇ。 唯一の楽しみと言えば、人形狩りだけど、その肝心の破壊対象である人形が今日は見当たらねぇし。 「あー……つまんねぇ」 かと言って、他の死神に会うのはなぁ。 ふらふらと、ただ歩いていると目の前には大きな大木が現れた。 本当に大きな木だ。 思わず、目を奪われてしまうほどに。 これは、神木とか言うやつか? すごく……………綺麗だ。 大木に近づき、そっと手を触れた。 ざらざらとした木肌は、どこか心地よく、この大木が見ている景色を何故か見てみたいと思った。
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