夢見草

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思いたったら即行動あるのみ。 枝……じゃねぇな、幹から幹へ飛び移り中腹ぐらいまで来たところで、一旦足を止め振り返った。 視界一杯に広がったのは、俺が歩いて来たはずの街並みなのだが、映ったのは今まで見たことのない、初めて知る景色だった。 澄んだ青い空。 緑の山々が街の後ろに大きく広がっていて、先は見えない。 街は人でごった返していて、こんなに人が居たのかと改めて思う。 ここで初めて気付いた。 この大木は大きな屋敷の中にあったのだと。 そして、俺をじっと見つめる視線向けられていることに。 そんな訳ねぇか。 人間に俺は見えねぇ。 たまに見えるやつが居ると聞くが、そんな奴らは死期が近い奴だ。 今、俺が捉えているのは若い女の人間だ。気のせいだろう。 ………その割には目が合うなぁ。
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