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「ちょっと貴方!!何考えてるのよ!!?」
「はぁ?」
「お嬢様ぁぁぁあああ!!!どうされましたか!!!!?」
「じぃや!!
木から人が落ちたのよ!!!大変だわ!!」
女は騒いでいるが、俺は別になんともない。それにすっ飛んできたじじぃは、訳が分からないと言った表情だ。
それが普通のはずなのだが。
「……お嬢様……失礼いたしますが、そんな重傷者どころか、ここには人一人っ子見当たりませぬが………?」
「……え?ここに居るじゃない!!?」
「い、いいえ……そこには誰もおりませぬよ」
「嘘……」
俺を見つめ、納得のいかない表情をする女。そう。このじじぃが普通で、この女の方がおかしいんだ。
「…………お嬢様、きっと悪い夢でも見たのでしょう。さぁ、屋敷に───────」
「───────まだここにいるわ。
じぃやは、先に戻っておいて大丈夫よ?」
「え、しかし………」
「いいから!」
「は、はぁ……」
強く言われたじじぃは、言い返すことも出来ずに一人屋敷へと戻っていった。
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