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今日はとてもいい天気。
青空が広がり陽射しが少し強いけど、爽やかな風が肌に心地いい。
「あの…」
ふいに後ろから声をかけられて振り向くと、さっきタペストリーを購入してくれたお客様。
また心臓が更にドキドキし出した。
「あ、はい。先ほどの…何かありましたか?」
もしかしたら、さっきのタペストリーのことかしら?
頭の中で様々なクレームが渦を巻く。
やっぱり返品したいとか? 違うものと交換したいとか? それとも…
「あれは…あ、さっき買ったタペストリーは、壁に飾るんですよね?」
低い声でゆっくり話すその人は、タペストリーの使い方を知りたいようだった。
「あ、タペストリーはもちろん壁に飾って頂いても構いませんが、テーブルセンターにしてもいいですし、何かの上にかけたり…何枚も繋げてベッドカバーにすることも出来ますし…使い方はけっこうあります。使われる方が、使いやすい形で使って下さっていいんですよ?」
「あぁ…因みにベッドカバーみたいに大きなものを作るのには、どれくらいかかりますか?」
「時間ですか?制作にはかなりのお時間が必要でしょうね?お値段もかなりかかります。まぁ、それはご予算しだいですけれど、やっぱりそれなりの生地を使った方が、本当にいい作品が出来るんですね?それに、長く使えますし…あっ」
ついついしゃべりすぎてしまった。
「そうですか…ちょっと見てもらいたい物があるんですけど、いいですか?」
「はい?あ、あぁ、少しならいいですけど?」
「良かった。それじゃランチでも一緒に」
「えっ?」
なんだこれは…まるでナンパみたいじゃないか?
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