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ケリンの話によると、この王都ガルガファムルは直径30~34km、高さ28mの3重の城壁に守られた城塞都市であるらしく、都市には直径15kmの円周を描く大通りの他、中央にあるガルガファムル城、一般には王城と呼ばれるそれの城門に向かう形で、東西南北に直線の大通りと、城壁に城門が設置されているのだと言う。
区画は南西の産業区画、南東の商業区画、そして北半分の居住区画と農業区画に分かれ、ギルドの建物は商業区画外縁にあるというところまで説明を受けた所で、目指す建物に辿り着いた。
ケリン「ここが私達のギルド、サウザンドウィンドです!」
フリ「・・・5階建てか。」
リオン「木で出来ているのか、よく燃えそうだ。」
ケリン「ダメですよっ!?」
リオン「冗談だw」
ギルドの建物は木造5階建てで、上の層になるにつれ少しずつ縦横の大きさが小さくなる作りになっていた。見た感じ一階は酒場の様な感じになっていた。西部劇で見る様なああいう感じ。
ケリン「さぁ行きましょう、マスターが待ってます!」
フリ「あぁ。」
3人はケリンを先頭に入り口の木戸を押して入っていった。
ケリン「えぇと・・・あれ?マスターは?」
冒険者「おぉ、ケリンか!仕事の合間に寝ててな、ちょっとたたき起こしてくるわ。」
ケリン「あっ、お願いします!」
そう言うと冒険者と思しき男は、入って右奥に見えている階段に向かって走って行った。どうやらマスターは仮眠中だったらしい。
フリ「・・・酒場だな。」
リオン「だな。」
中にはいくつも木製の丸い机と椅子が並び、香辛料と酒の匂いと、喧騒が飛び交っていた。
暫くして、階段の方から一人の男が歩み寄ってきた。
年は30前と言ったところか。中肉中背で、若さに似合わず顎髭が少しある。顔はほっそりとしていて、その表情は温厚で時に快活な笑みを見せる。髪は茶髪のショートボブで、瞳も髪色と同じ茶色だった。
格好は青く染められた革チョッキに半袖のカッターシャツ、黒いベルトの黒っぽい灰色のズボン、革製の靴を履いていた。
フリ「ん・・・?」
フリードリヒはその男に気付き、『若いな』という印象を持つが、その次の瞬間ケリンが放った一言に驚く。
ケリン「あ、マスター!」
フリ「っ!?」
「やぁケリン、依頼の方どうだった?」
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