序章~魔法世界の逸材死す~

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・旧帝国人に転生したい(顔そのままで) ルクレウス「ふむ・・・固有結界、ですか・・・。」 固有結界とは、現実を押しのけ、術者の心象風景を具現化する大魔術である。 フリ「はい、オリジナルの。」 ルクレウス「・・・分かりました。その5点に関して、望みを叶えましょう。」 フリ「ありがとうございます。あと、一つだけお願いがあります。」 ルクレウス「なんでしょう?」 フリ「新しく備わった力を、ここで練習させて欲しいのです。使い方も分からぬまま放り出されたところで、出来る事はたかが知れていますから。」 ルクレウス「成程、分かりました。では少し練習しましょうか。」 フリ「お願いします。」 そしてフリードリヒは、体感時間にして3日程、練習を重ねていった。 フリ「ありがとうルクレウス。」 ルクレウス「いえいえ、私もいい運動になりましたよ。」 どういう練習をしたのか。 フリ「じゃぁ、新たな世界へ、行ってみるかな。」 ルクレウス「ではお送りします。グッドラック。」 そして意識が遠退いていく・・・。 ~フィンメルシア・カレリア密林渓谷~ フリ「うう・・・。」 再び意識を取り戻したのは、鬱蒼と茂る木々の中であった。 リオン「ここは・・・。」 フリ「旧帝国人ともなると骨格から違うんだな、翼がある・・・。」 龍と同じ翼の骨格の間に皮膜が張られた赤い翼である。 リオン「それどころじゃないだろ、ここがどこなのか分からないと。」 フリ「ん?手紙?」 足元を見ると便箋が一つ落ちていた。フリードリヒとリオン宛である。 「無事にそっちに行ったかな?今君が立っているのは、オルシア大陸にある、カレリア密林渓谷最奥部だよ。」 フリ「オルシア大陸・・・」 脳内検索をかけてみると、すぐに見つかった。 ・アフリカ大陸に似た形状の大陸、面積は同大陸の1.4倍、密林と山岳がその総面積の6割を占め、残りは平原。人間達の文化の中心的な地。 フリ「おう、前世の地理と比較すんなし。」 リオン「分かり易くていいじゃない?」 フリ「さいで。」 それで納得して読み進める。 「流石に最初からお金を渡す訳にもいかないけど、投影魔術で幾つか武器が作れるはずだから、それで戦えると思う。」
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