第1章

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「わっかんねぇ!!!!」 一人の少女の叫び声が、教室にこだます。 「な・・・・・なにかあったのですか?綺月さん」 その叫び声に驚いた隣の少女が綺月と呼ばれる少女に問いかける。 夕凪綺月(ゆうなぎ はづき)少しボサボサっとした黒髪をポニーテールで結った髪型に少し童顔めの顔付きで私立聖桜花学院に通う高校1年生である。 「んあーだってさー歴史の授業って言われたってこんなんわかるわけ無いじゃん!能力なんてもともとあったんだし今頃解明する必要もないわけじゃん」 と子供のように遇垂れる綺月にまあまあそう言わずに・・・・・と隣の少女が促す。 少女の名前は、四条院早紀(しじょういん さき) 水色のツインテールで容姿端麗、成績優秀という秀でた才能もさる事ながら生まれつき四条院グループと呼ばれる大手医療メーカーの御令嬢であり生粋のお嬢さまである。 同じく私立聖桜花学院に通う高校一年生である。 「でもほら自分たちのルーツとなったものを辿るというのはなかなかに面白いものですよ?」 そう促す早紀を横目で見ながら、綺月はみっともないため息をつきつつ教科書と再び向き合う。 ・・・・・がそれも数秒だけでありすぐにうなりだす綺月に頭を抱える早紀を見兼ねたのか後ろの席の少女が立ち上がり綺月の後頭部を教科書でスパンっ!と景気のいい音をたてつつ叩いた。 「痛っ!?な・・・・・何するの!?アッキー!?痛いじゃん!」 綺月が涙目で痛いのを訴えているアッキーと呼ばれる彼女は、大葉千秋(おおば ちあき)茶髪で後ろ髪をバレッタでアップ髪にしているすこしサバサバした性格をしている。 綺月の幼なじみで生まれた時から一緒という感じ。 綺月の付き添い人のような感じで早紀とも仲がいい。 「綺月あんた早紀になに迷惑かけてんだよ早紀困ってるだろ?」 ムスッとした顔で綺月ギロっと睨む千秋にもまあまあと促す早紀 綺月も頭を摩りながら、仕方ないじゃん!!と反論するこの光景はもはやいつもの様であり周りは一切気に止めていないのが唯一の救いなようなものだった。
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