第1章

2/2
前へ
/2ページ
次へ
はぁ、 今日も誰とも話せなかった。 それはそうだ。 入学式へ向かう途中に事故に遭い、まさかの高校へと通えるようになったのは6月からだった。 もうみんなグループというグループは出来上がっており、こんな見てくれの僕を仲間に入れてくれる子は誰一人いなかった。 季節はかわり、もう今は夏だ。 あと3週間で夏休みに入る。 早く友達を作って夏休み一緒に遊んだり… 計画とかたてて… 「はぁ、僕に友達って出来るのかな…、」 家に帰る道のりを歩きながら、道を見つめ考えていると、先のことが思いやられどうしてもマイナスに考えてしまう。 そういえば、今日初めて口に出した言葉がさっきのかもしれない。 このままでは本当にマズイのではないだろうか… 大学生になってもこのままだったら… そんなこと、少し考えただけで胸がざわつく… そんなことを考えてしまったからか、なんだかお腹が痛くなってきた。 少し休もうとしゃがみこみ、ダンゴムシのように丸くなって、痛みが去るのを待った。 「おい、大丈夫か?」 いつも学校で聞く声より少し低くて落ち着いた声が上から降ってきたのは、しゃがみこんでほんの少ししかたたないうちだった。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加