第1章

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お母さんと一雄さんからそれぞれ一万円を渡された私は、事情を説明して加藤様と一香ちゃんと遊園地に行くことに。 一香ちゃんの大きなバックには今日の衣装とお弁当が入ってるらしい。 加藤様は一香ちゃんを見ると極上の笑顔を見せて『頑張ろうな』と言った。 その笑顔、私に見せてほしかった! そして写メりたかった! 遊園地に到着する。 駐車場には子供連れの家族が沢山いて、その中の一人の子が一香ちゃんに気が付いて駆け寄ってきた。 「一香ちゃん、おはよう。あれ?パパとママは?」 「おはようございます。大変でしたね。日野さんから連絡貰って待ってたんですよ」 一雄さんから連絡を貰ったと言って近づいてきたのは幼稚園で絹ちゃんのママ友の相良さんご夫婦。 相良さんたちの後について園内に入り、一香ちゃんに衣装を着せる。 それにしても幼稚園のママ・パパ若い・・・って当たり前か。 でも一番かっこいいのは加藤様だよね。 「旦那さんかっこいいですね」 そう声をかけられて振り返ると、これまた若い女の人が目をハートにしながら加藤様を見てらっしゃる。 こんな所で加藤様の魅力発揮! 「あの」 旦那じゃないと言わないといけないんだけど、優越感を感じて素直に言葉が出てこない。 「はーい。それじゃあみんな集まって! 先生の声で子供たちが集まる。 「お父さんお母さんは会場の方でお待ちください。 パレードは11時からになりますので、それまで恋人気分で園内を楽しんできてください」 と冗談交じりで先生が言った。 「あの・・一緒に回りませんか?」 加藤様と遊園地って似合わないけれど、せっかく来たんだからやっぱり楽しみたい。そう思って言うと『行くか』と手を差し出された。 うわぁああああ。 ちょっと、どうしたらいい?鼻血出そう!もう出てるかもしれない! もたもたしてると手を取られて加藤様が歩き出す。 今死んでもいい。ああ、でももう少し堪能してから死にたいかも! 「そんな時間もないから好きなのから乗るか?」 「加藤さんは何が好きですか?」 「佐久間が好きなのでいい」 「でも・・」 「どんなのがあるか分からないから、佐久間の好きなようにしていいよ」 い・・いつになく加藤様が優しいです。 このギャップは何でしょうか?
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