第1章

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 少女に見つめられてどのくらいたったのだろうか?数秒か数分かはたまた時間を跨いでしまったか…… 状況を確認しようにも何故か視線は相手の瞳に固定され自分の意思で動かすことはできなくなっていた。 少女は少女でときどき、ふむふむと納得したり、ほぉと面白いものを見たような声を出してくるのでその息が首にかかりくすぐったい。 「リオ。何をしているのですか?」  掠れたような声が聞こえると少女は顎から手を離し俺のギブスで動かせない足の上に腰をおろした。 「ゲホッ……ゴフッ…!」  自分でも気づかぬ間に息が止まっていたらしく少女が離れると思い出したように肺に酸素が取り込まれ噎せる。そんな俺の背中を堅い何かが擦ってくれた。 「全く、魂を覗く趣味はやめなさいと何度言えばよいのですか?」 「ふん、覗かれるような者が悪いのだ。」 「そんなんだから友人が出来ないんですよ、このボッチ姫。」 「なッ!?」  ようやく息が整ってきたというのに脚に乗っている少女が、取り消せだのなんだのを騒ぎながら跳ねるものだから走る痛みに言葉も出ない。 「はしたないからやめなさい、少年が痛がってますよ。少年水です。これでも飲んでおきつきなさい。」 「むぅ……」 「あ、ありがとうございます!?」  差し出されたコップを受けとりお礼を言うために顔をあげるとそこにいたのは黒いローブを来た骸骨だった。
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