51人が本棚に入れています
本棚に追加
「これは・・さすがにちょっとひく、かな。」
その異常過ぎる数に頬が引きつった。
が、それは確実に自分を心配してくれたわけであって。
照れくさくて、うずく心がくすぐったかった。
熱い湯で身体を温めれば、すっかり心の空しさは埋まっていた。
「・・・・ずっと、いたの??」
ほくほくでお風呂場から出れば、その扉の前に座り込んでいた2人。
まるで捨て犬のようなその姿に、思わず笑ってしまった。
「怒ってないから。」
伊織「ほ、ほんとに?」
「ほんとに。」
絵梨花「じゃ、何で濡れて帰ったの?」
「・・2人とも、知らない男性と一緒にいたから、嫉妬しちゃっただけ。」
「「・・・・・。」」
言い訳も面倒になり、素直に伝えると思わぬ沈黙。
子供過ぎた理由だっただろうか。
「え・・と、2人とも、どしたの?」
絵梨花「渚が・・嫉妬?」
「変、かな。」
伊織「あれ、仕事だから!」
「うん。分かってたよ。」
絵梨花「私のだって、ただの上司よ!」
「そうだと思ってたよ。」
あぁもう。そんなに必死に言われたら。
詰め寄る2人を渚は抱きしめた。
初めて2人が頼りなく、子供のように愛しく思えたのだ。
最初のコメントを投稿しよう!