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久々に熱をだした。
雨に打たれて熱を出すなんて、自業自得すぎる。
渚は、激しい頭痛に悩まされながら、更なる悩みにため息をもらした。
「渚、何か食べる?」
「渚さん、冷えピタかえるわよ?」
それは、2人の甲斐甲斐しい介護だ。
仕事を休んでまでこうして着いてくれている。
断ったのに。
「2人とも、寝てたら大丈夫だから。」
絵梨花「駄目よ。こんな時ぐらい、甘えていいからね。」
よしよしと頭を撫でられ、余計に気が緩んだ。
病気で弱ると、いつもの自制心まで崩れてしまう。
「アイス・・食べたい。」
「ん、食べさせてあげる。」
満足げに冷凍庫からアイスを取り出してくる絵梨花。
伊織はよしよしとずっと頭を撫でてくれた。
「添い寝、いる?」
「・・・うん。」
もういいや。考えるの面倒くさい。
渚は額に手を当ててもらい、その温もりと感触を堪能しながら目を閉じ、ゆっくりと意識を手放した。
「幸せそうね、渚。」
「ほんと。好きって言ってくれたし、私も幸せ。」
へへへ、と3人のにやけた笑みが部屋を包んだ。
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