あなたのキスに溶かされて 第14話 三年後

三年後

あれから、三年の月日が流れ、私は、二十八歳になった。

三年という月日は、短いようでとても長くて。

主任がいない時間は、本当に十分が一時間に感じる程、時の流れの遅さを感じた。

主任と離れてからの私は、腑抜けになってしまって、何も手が付かなかったけど、周りの皆がフォローしてくれて、徐々に立ち直ることができた。

そして、今春。

新たな辞令が下った。

『新村晃　海外事業部　係長の任を解き　営業部　課長の勤務を命ずる』

これが、社内の掲示板に貼られた時、私は少し涙が出た。

そして今日、主任は帰ってくる。