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「チョコ、ついてる」
彼の舌が私の口端をぺろりと舐めとる。
途端に体中が熱くなった。
俯き、黙って残りのアイスを囓ってる私の隣で、やはり黙って、前だけ見つめて彼もアイスを囓ってる。
ふっと見上げた彼の口端にも、チョコレート。
「ついてるよ」
さっきのお返し、とばかりに今度は私が彼の口についたチョコを舐めとった。
次の瞬間、後ろあたまに廻った手に引き寄せられる。
驚いて、目を見開いてる私を無視して彼の唇が私の唇に……ふれた。
「……チョコアイスなんて食うもんじゃねーな」
「……そだね」
照れたように笑う彼につられて、私も笑う。
残ってたアイスはすでに溶けて地面に落ちていた。
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