”千里の道も一歩から”編_壱

1/15
前へ
/40ページ
次へ

”千里の道も一歩から”編_壱

  パンツスーツに身を固め、私は気合を入れて出社した。 工場は思ったよりずっと大きな敷地だった。 門にいる守衛に申し入れると 彼はどこかへ内線をかけて確認する。 訪問表を書き、ゲスト用の入館証を貰い 指定された、目の前にある事務棟を目指した。 事務棟は、その敷地からすると、とても小さく感じた。 だが、入った一階はとても清潔で、華美なものはないが きちんと整えられた印象だった。 ここへ来るまでの植栽も手入れが行き届き 会社の健全性が伺えた。 『はるばる来た甲斐はあるかもしれない・・・』 少しだけホッとした気持ちになって、入り口すぐの場所で なるべく邪魔にならないように端で待機した。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加