【八話 清さんの堪忍袋(かんにんぶくろ)】

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結局清さんは、町内会の会長選に落ちてしまった。 でも、今度は毎日仕事に精を出している。 閉ざされた小さな世界で政治に翻弄されるより、開かれた世界でなんだか楽しそう。 狒狒さん達はあいかわらず。 今度は狒狒さんが巾着さんを、巾着さんは狒狒さんを悪く言っている。 笑う角には福来る。 あなた達も、そう喧嘩ばかりしていては福も逃げるわよ。 ある日、清さんは、「あのときの堪忍袋の代金だ」と言って財布の中身を全部置いて行った。 清さん、唐土の話には続きがあってね、しばらくすると、あれは偉い人間だと評判になり出世をして、しまいには大金持ちになったのよ。 羽ばたいて下さいな。
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