【十七話 清四朗さんの誕生日(恵理さん)】

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「さおりん、顔赤いよーー。」 「まだらに出るのは肝臓が弱いから、弱くていいね。」と、山奥さん。 「さおりんは、飲むと目尻が下がって、色っぽいねえ。 色気、見習わないと。あははーー。」と恵理ちゃんが笑った。 グラス2杯分ほど飲んだら、もうシャキッとしてられない。 清四朗さんの御世話をしている、近所の京子さんに座布団とタオルケットを用意して貰い こっそり離れで休ませてもらうことにした。 すると、恵理さんが、 「もう、さおりんのエロホルモンがドバーっと出て、浴しに来た。」 と様子を見に来てくれた。 居住まいを正し、何となく悩んでることを話しているうちに。 「さおりん、ちょっと手相を見てあげる。」といって左手を取った。 「うーん愛の人やね。愛されたいねさおりん。」 それで、すうっと恵理さんに吸い込まれてしまった。 「うんうん」 「やっぱりね。さおりん。 貴女ほど愛情とお金と知力に恵まれたひとはそういないよ」 ああ、栄二さんのことだ。こんなに愛して貰ってると解ってるくせに、私は昔のことをぐじぐちと持ちだして責めちゃった。 「貴女の、今無料でやっていることはお金を取っていい。 月に500円でもいいから。 それが貴女の自信や遣り甲斐につながる。」 ああ、あれだと思い当たることがあった。
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