1人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
真夜中に携帯がメールの着信を告げる。
時刻は丁度0:00を回ったところ。
「タイトル・無題」
添付ファイルあり
本文も何もない。
差出人は解らない。
何故なら登録されているアドレスからの着信ではなかったから。
なんだか嫌な予感がする。
でもそれに勝る好奇心によって、添付ファイルを開いてみる。
そこに現れたのは…………!
画面いっぱいに写し出された、顔!!
白目をむいて、口は裂けんばかりに開かれ、写真なのにそこから断末魔の叫びが響いてくるかのような………鬼!鬼の形相!!
ひと目見ただけで、呪われてしまったんじゃないかとさえ思えた。
あまりの恐怖に携帯を真っ二つに圧し折り、ガタガタと震えながら眠りについた。
翌日。
「おはよー!メール見た?」
「メールって…まさか!あんただったの……?」
昨夜の恐怖が甦り、ガタガタと震えだす。
「うん。あ、携帯替えたばかりで、連絡してなかったね。ごめんごめん。でもさ、サプライズだし良いかなって思って。あの写真のアンタ酷かったよね~!!あれ、こないだの飲み会で酔っ払ったアンタを撮ったんだけどさ。あれ絶対呪いかと思っちゃうよね!!私に突然あの写メ送られて来たら『悪霊退散!!』とかって叫んで携帯ぶっ壊すと思うもん。あはははははは!!もういい年なんだからお酒飲み過ぎて醜態曝すのやめようね。お誕生日おめでとう~!!!」
私が、恐怖ではなく別の意味でガタガタと震えが止まらなくなったのは、言うまでもない真実だった。
「悪霊退散!!!」
「ぎゃああああああああああああああああああああ!!!」
断末魔の叫びが辺りに響き渡り、やがて静寂の闇に包まれたのだった。
最初のコメントを投稿しよう!